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オステオトームによる段階法上顎洞底挙上術(FSD)後のコーンビームCTを用いた骨改造評価

 
 
 
 
著者 中島和敏
 


要旨

オステオトームを用いて上顎洞底挙上術をおこない,上顎洞内の骨造成部位の術直後とインプラント埋入前の変化をコーンビームCT(以下CBCTと略す)を用いて3次元的に分析し評価した。 2006年から2011年までの間に中島歯科医院にてオステオトーム法を用いて15名の患者に段階法上顎洞底挙上術が行われ,臨床結果が後ろ向き研究として評価された。CBCT画像で上顎洞底は平均7.28mm(SD1.62)術直後挙上され,平均骨高径は9.55mmの結果が得られた。すべての症例でオステオトーム法によりインプラント埋入に必要な骨高径を得ることが出来た.粘膜穿孔等の術中,術後の合併症は認められなかった。手術侵襲と術後不快症状が少ないこの段階法上顎洞底挙上術は有効な骨造成法であることが示唆された。
 
緒言
上顎臼歯部においては,上顎洞の存在により既存骨の高径が低くなり通常のインプラント埋入が困難になる症例がかなりの割合で見られる.そこにはインプラント支持の不足や上顎洞粘膜の穿孔のリスクが存在する。このような症例においては骨高径を増加させ,成功裏にインプラントの埋入を可能にするため上顎洞底挙上術が必要となる。今までの見解では歯槽頂を介する方法は既存骨高径が5mm以上で,かつ上顎洞底の形態が比較的平坦な場合に用い,既存骨高径が5mm未満の場合は側方開窓術が推奨されている。
側方からの上顎洞挙上術に関しては多くの論文が発表されその予後も良好で,有用性のある術式として現在認識されている。 しかし,一般的なインプラント埋入と比べると手術侵襲が大きく,上顎洞粘膜の穿孔や感染など術中,術後の合併症の発生も数%であるが報告されている。
一方,1994年Summersらにより発表された歯槽頂を介した上顎洞挙上術は,側方からのアプローチと比較すると歴史は浅いが,近年発表されている論文数も増えており,その予後も良好で有用性のある術式として認められてきた。